禁忌の残穢【ネコが演じる 都市伝説 NO.185】
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禁忌の残穢
こんな噂を聞いた。
日々の疲れを癒すには、
旅行は最適な選択だろう。
人間、
同じ場所に長い時間いると息が詰まってしまう。
時には環境を変えて、
自然豊かな土地へ出かけるのも悪くない。
しかしながら、
知らない土地のことだ、
よく怖い話などで聞くように、
宿泊先にこの世のものではないものがいる場合もあるという。
そんな時に、
心霊好きな人ならご存知だろう。
部屋の絵画、掛け軸などの後ろにお札が貼られていたら、要注意。
用心深い人は、
それらが無いか部屋の隅々まで確認すると聞く。
しかし、それだけで、大丈夫ですか?
とある地域の旅館。
温泉で有名なその地域は大浴場付近の設備も充実している。
地元住民も憩いの場として使用している.
1000円払えば宿泊客でなくても入浴できる。
冷たい飲み物が無料で飲める自販機。
無料で使用出来るマッサージ器具。
一見すると、
殆どの設備が入浴料だけで使用できるので親切で顧客満足度が高い施設に思える。
しかし、地元の人間は決して使用しない物がそこにはある。
その土地の者以外には、
他言無用の設備。
それは、大浴場付近で良く見かけるものである。
ひっそりと置かれたマッサージチェア。
同種の機種と比べても高価で、
ひとたび座れば、
まるで熟練のマッサージ師が揉んでくれているのでは無いかと錯覚するほどらしい。
そこに座ると、
周囲にいた地元住民であろう人々は一斉にその場を離れる。
旅館の従業員までも。
なんでも、その椅子に座ると、
人によっては、
数日以内に自動車事故、
原因不明の病気に見舞われるという。
ある日、
観光客が湯上がりに使用した化粧水のボトルを落としてしまった。
転がったボトルは、
件のマッサージチェアの下に入りこでしまったのだが、
拾おうと下を覗き込むと、、、
座面の裏側には、
おびただしい数のお札が貼られていた。
そして、
びっくりして顔をあげると、、
座面の隙間には、、
うごめく無数の白い手が、一瞬見えたという。
神職など人は、
他者の呪いを払う時に実は払っているのでは無く。
他者の体から呪いを自身の体に取り込み、
日々少しずつ神事によって呪いを弱めていくという。
呪いを中和しているというのだ。
多様な人々が行き交う観光地。
多くの人を座らせる事により、
この世のものでない何かを、薄めようとしているのだろうか。
まさか、そんなこと、あるわけ。ないよね。






