逆行する黒い趨勢 -スウセイ-【ネコが演じる 都市伝説 NO.178】
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逆行する黒い趨勢
猫が演じる不思議な話。
小学生の時、Aさんは不思議なガムが置いてある、
駄菓子屋を見つけた。
街の外れにあり、看板も何も出ていない。
誰も気付かないのか、他にお客が来ている所を見たことがない。
そのガムは10円で1回、
箱に付いているレバーを押すと色付きのガムが出てくる。
何も言わなければ、
ただのガムなのだが、
店主の老婆に、
『黒ガムをください。』と言うと、
奥から人型の紙を出してくれる。
その紙に、名前を書いて箱の上に乗せてからレバーを押すと、
なぜか、ガムに文字が書いてある物が出てくる。
そこには、足、腕、などと体の名称が書かれていて、
ガムを食べた後に、上に置いた紙で、ガムを包むと、
名前を書かれた人は、その部位を数日のうちに怪我をする。
つまりは、
呪いをかけられるガムらしい。
この存在を知ってから
Aさんは、気に食わない相手の名前を書いては、
呪いをかけていた。
そのうち、
Aさんに何かすると、呪われるという噂が広まり、
教師ですらAさんに気を使う様になった。
Aさんが高学年になったある日、
新しく転任してきた若い女性教師に恋をした。
優しくて、美しい女性だったそうだ、
Aさんは、思い切って、
小さな恋心を伝えた、
もちろん相手は、大人の女性、
全く相手にされず優しくあしらわれてしまった。
それからというもの、
あれだけ憧れていた思いは、憎しみになり。
Aさんは連日、件のガムで呪いをかける様になる。
女性教師は、予定通り至る所に怪我を負い、
学校から姿を消した。
誰もが、Aさんの呪いだと思ったが、
何故そんな芸当ができるのか分からず、
周囲は怯えるだけだった。
Aさんは、次第に傲慢な態度を取るようになり、
親ですら手を付けられない状態になっていた。
そうなると、
不思議と子供達は、何かあるとAさんを頼る様になった、
力のある人間には人が集まってくる。
大人よりも、子供の方が優位になり、
学級崩壊どころではなく学校自体が崩壊しつつあった。
そんな時に、
あの女性教師が復職してきた。
「はい、皆さん席に付いて下さい。」
「静かにして下さい。」
『せんせーい。命令しないでくださーい。
また怪我したいんですか?』
彼女は、そう調子付く子供たちを、
冷たい目で見ると、
「では、出席を取りますね。」
教卓の上に、
小さな箱と名前の書かれた人型の紙を置いた。
『まさか、、、なんで、、あれは、、黒ガム。。』
彼女はAさんの方を見ると、
不敵に笑い呟いた。
「これが、大人買いってやつよ、、、
これから、、、楽しみね。』
周囲がはしゃぎ、ざわめく中、
Aさんの目の前だけは、真っ黒になった。
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