朱い静雨【ネコが演じる 都市伝説 NO.180】
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朱い静雨
猫が演じる不思議な話。
今日で、私は何年生きたのだろうか。
あの日、学校帰りに、
親友の家に遊びに行ってから、
私は、、
五月雨が体温を奪い
凍える様な感覚で彼女の家に入ると、
そこは、アンティーク調の家具に囲まれた素敵な家だった。
彼女は知的で、
そして、不思議な魅力を持っていた。
特に歴史に詳しく、
それは、まるで実際に見てきたのではないかと思わせるように、詳細なことまで知っていた。
それは、彼女の収集している、
図書館かと思わせるような、
本棚にズラリと並んだ古書による知識なのだろう。
そう思っていた。
彼女のお気に入りは、
中世ヨーロッパの古い書籍。
すごい古い本だね。
親が集めてるの?
うん、そうね、興味あるの?
これなんか、すごく年季が入ってるね。
皮の表紙?高そうだねー。アンティークってやつ?
それは、中世ヨーロッパの魔導書よ。
まどう?
そう、端的に言うと、
魔法が書いてあるのよ。
いやいや、そんなのないでしょ。
アニメじゃあるまいし。
そう?思う?
あなたは親友だから、
後で一つ見せてあげるわ。
え、、あ、うん。
じゃあ、少し待ってね、
先にコーヒー淹れるから。
そう彼女は言うと、
透過式のドリップコーヒーの器具を食器棚から取り出し、キッチンの奥に入っていった。
その時は、秀才の彼女が、
そんなものを、信じてるのかと、
少し可笑しくなったものだ。
どうぞ。
そこに置いてあるから飲んで。
とても綺麗な赤色をした、
少し変わった珈琲。
一口飲むと、喉の奥から腹部にかけて流れるように、
体が温められる感覚がしたが、
正直、高校生の私には、
ブラックコーヒーは、美味しいとは思えなかった。
酸味が強く、鉄のような香りがした。
それで、魔法って何が出来るの?
そうね、、不老不死とか。
不老不死?
そんなの出来たら、億万長者になれるよ。
ハハハ
そうかもね。考えもしなかったわ。
でもね、不老不死って良いことばかりじゃないのよ。
想像してみて、
自分だけが、死ねないなんて、地獄よ。
え、、いや、、冗談でしょ?
だから、私は友人を作ろうって、思ったの。
一人は寂しいから。
ほら、血の盟約ってあるじゃない?
あれは、互いの血を飲むのだけれど、
これは、不老不死の力のある方の血を飲むだけ、
後は、魔法をかけるの、
え、なにそれ?
なんか、気持ち悪いし、怖いよ。
そうかしら?
でも、もう、飲んだでしょう。
だって、私達、、親友だもの、
当然よね?
キッチンから戻った、
彼女の手首からは、
真っ赤な鮮血が流れ落ちていた。
私は、ひどい吐き気を覚えて、
彼女の家を飛び出した。
あれ以来、、
私は彼女の本当の親友になったらしい。
今日で、私は何年生きたのだろうか。
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